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2022-06-16
シリーズ  ー私の中の熊本学園大学ーB
                             「ブラジル一直線の我が人生」
                                 商大10期 日下野良武

 私は今、地球の反対側ブラジルのサンパウロ市に住む。日本で38年、ブラジルで41年のほぼ半々の人生だ。ブラジルとはまったく縁のなかった家庭で育った自分が、何でこんな人生を歩んできたのだろう。今も自問自答の毎日だ。
 熊本商科大学(現熊本学園大学)に入学早々スペイン語が第二外国語として開設された。付属高校から推挙生で入学した私は、英語以外の言語の選択で行き着いたのがスペイン語だった。当時、中南米事情研究所があり所長は丸山学教授。「スペイン語の生徒中心に中南米研究会をつくったらどうだ」と提案があり立ち上げた。
そんな折も折、熊本県費留学生が大学へやってきた。大学2年次だったと思うが、その名はケン・キムラ(木村 健)さん。ブラジル生まれの日系二世で両親は熊本県出身という。いろいろ話を聞くうちにこの国に興味を持った。
 当時、日本学生海外移住連盟という全国組織があり、毎年、日本政府の援助を得て全国の大学生10人ほどが1年間休学しブラジルや中南米各国で実習していた。もちろん、東京で試験がある。3年次に50人ほどの受験生の中から私が商業部門の一人として選ばれた。リオデジャネイロに行きたかったので実習先にケン・キムラさんが働く石川島ブラジル造船所を選んだ。
 それからの私の人生はブラジル一直線だった。振り返ってみると実父は1908年生まれで、第一回日本移民船の「笠戸丸」がサントス港に着いた年に生まれている。また、ブラジルの国語はポルトガル語だが、ポルトガル人が初めて日本へ来たのは1543年で、ちょうど400年後に私が生まれている。重ねて、ブラジルへの移住者数は県単位で熊本県がトップだ。何から何まで人生行路がブラジル一直線になった。
 10冊ほどのパスポートの出国入国をチェックしたら、両国の往来だけでは83往復だった。これからも100往復を目標に頑張りたい。我が人生に悔いはない。
 

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